「摂食障害」と向き合って
きっかけは些細なことでした。
2022年2月末ごろ、コロナの影響もあって完全在宅ワークになりました。
一日100歩行くか行かないかの歩数計にびっくりしてしまい、一日一万歩歩くことを決意しました。
少しの痩せたらいいな、の希望を添えて。
3月は全く痩せず効果無いならやめてしまおうかなと思った頃でした。
4月に体重がぐんっと落ちたのです。
もともと体重は標準体重で健康診断では「一番病気のしない健康でいられる体重」となっていました。しかし、メディアには「痩せる」に価値を置いた記事が多く「人生一度でいいから痩せてみたい」という気持ちに切り替わりました。
そして食生活の改善を試みました。
初めは腹八分で辞める、野菜を食べる、などよくある健康法を試していったはずなのですが、次第に「炭水化物は敵」「油、甘いものはだめ」と食べたくないものが増えていってしまいました。
しかし、外食時は普通に食べていたためあまり気づかれませんでした。
友人にやせたね!と言われることも嬉しいと感じていました。
しかし途中で「食べたい」という欲が出るようになりました。
そこでチートデイを設けることにしました。アイス、ケーキを大量に買い気持ち悪くなるまで食べました。もう二度とやらない、と初めて行ったときは思ったのですが次第に快感に変わり週一度のご褒美にしていました。食べた後は決まって消えてしまいたいという憂鬱な気持ちが襲ってくるのですがそれもお構いなしでした。
この時はご褒美だと思っていましたが、今となっては食べ物依存症、「過食症」の始まりだったんだなと思います。
しかし体重は増えるのが怖いので、食べた次の日は絶食に近い食生活をしていました。
次第に寝れない日も増えていきました。
そしてとうとうある日会社に行くことができなくなりました。
朝起きても気持ち悪く吐いて体が会社へ行くことを拒否するのです。
会社に相談し、仕事量の改善を行っていただきました。
この時は頑張れない自分を受け入れられなかったので「休職」を勧められましたがはねのけました。
そのまま保健室通いのような生活を会社にさせてもらいゆっくりメンタルが回復していきました。しかしこのころも拒食と過食を繰り返し行っていました。
4月に健康診断を受けたところ37キロまで体重が落ちていました。BMI15の状態です。
そこから鬱で休職経験のある先輩に相談し心療内科を受診したところ「適応障害」と「摂食障害」であると言われました。
もうすでに自分の食生活がおかしいということには気づいていたのですがしっかり診断されたことはすごく悲しかったです。
このままではいけないと思い太ると決意をしましたが1年近く患ってきた考えを変えるのは容易ではありませんでした。
8月頃過食した後、どうしても死にたくて消えたくてどうしようもない日がありました。そこで助けを求める気持ちで検索し、過食を止めるカウンセリングを受けることができました。
そこで「摂食障害」は心の病気であることを学びました。
今までないがしろににしてきた自分が悲鳴をあげて顔を出してきた状態です。
私はそこで「自分軸が無いこと」「自己受容が無い」「認知のゆがみ」「他人に心を開きすぎる」など心理学や本を学びながらいろいろ自分と向き合ってきました。
そうすると徐々にですが、食べてもいいって思えるようになってきたのです。
気持ちの変化は日々行われていて記載が難しいのですが、しなければならないとなっていた「執着」を手放す行動として最初に摂食障害になる前から毎日測っていた「体重計に乗らなく」なりました。
その次に「毎日7000歩は何が何でも必ず歩く」をやめました。
台風だろうと、熱があろうとお構いなしに自分の決めた絶対ににたがって毎日歩いていました。
また平均と比べるのをやめようと思い「足の太さを計る」をやめました。
心地よいと思って始めた行動が必ずしもしなくてはいけないに変わっていて苦痛に感じていたからです。また、体重や太さを計って一喜一憂することにもとても疲れました。
こんな数字でストレスをためるぐらいならと思い切って辞めました。
それからまだ怖いですが元の体重まで戻ることをしっかり受け入れようと思っています。結局増えるのが怖いのは「やせ」の価値にしがみついており病気の心が消えていない状態なんだなと思います。
父が学歴コンプレックスで学歴にすごくこだわるのですが、「学歴なんかで人の価値なんて決まらないのに」と思い、ふとブーメランだなと思いました。
体重なんかで人の価値は決まらないのに。
痩せても痩せても満足できず、限界が来てやっと踏みとどまりましたが、結局自分が自分を受容できないかぎり何しても私が欲している「安心」や「幸せ」は手に入らないんだと思いました。
自己受容はすごく難しいです。
痩せて自信がついたからいいか!と途中「やせ」のメリットにすがって病気を治すことを放棄しようとしました。しかし「条件付き」で自分を受け入れるとそれを失うことがとても怖くなります。たとえ死にたいという感情を抱えてでも縋りつきたくなります。
ありのままの、今の私をそのまま愛することが大切なんだと思いました。
どんな自分でも自分は自分だし、太っても痩せても若くても老けてもそれはちょっとした変化に過ぎなくて、その時の環境によって変化していくものだと思います。
平均なんてただの基準に過ぎなくてこんなに人類がいるのに、すべての人に平均が当てはまるはずが無いのです。自分が心地よい、そう思える体重、体型があるんだなと思いました。今感じていることは心の器を育てるには栄養の無いあ身体ではとても難しいんだと思い、私が環境に適応できるその時の体重があるのだと思います。
また太ったときに他人に何か言われることがどうしても怖く、なんて言い返そうかシミュレーションをしていましたがそれもまだ軸が「他人」の評価になっていて「自分」軸で考えられていないなと思いました。
好きなものを好きなだけ食べるといってももちろんどこまで体重が増えてしまうのか不安もあります。このまま病気を受け入れて痩せにすがりたい気持ちも全く消えたわけではありません。ただ私はそれでも、痩せていなくても自分を受け入れられるようになりたいし、楽しくご飯が食べたいし、死にたいとなく日、寝付けづ朝になる日、熱があるのに台風なのにそれでも歩かなくちゃいけない日、体重が増えたら怠惰だと言われ罪悪感でいっぱいになってしまう日、そういうことから抜け出したいのです。
夢ですが、現在4年程付き合っている彼氏がいて今後ずっと一緒にいられたらと思っています。子供にも恵まれたいと思っています。
そう考えた時に治したいという気持ちがとても強くなりました。こんな状態になった私でも受け入れてくれた彼と何十年後幸せだったねっていって死ねたら、と思っています。執着したくないのでできなかった時はペットでも飼おうと思っています。(笑)